こんにちは、ANYCULです。

最近USのカンファレンスで、Googleがクリック率などユーザーインタラクションをランキング要因としていることをGoogle社員のDanny Sullivan氏が明かしたようです。

特に大規模サイトのSEOに関わっている方であれば、一度はGoogleがユーザーインタラクションをランキング要因としているとしか思えないような現象を目の当たりにしたことがあるかもしれません。

しかし今回のカンファレンスでは、実際Googleがどのようにクリックデータ等を利用しているのかという詳細については明かされませんでした。

そこでこの記事では、私が自身の大規模サイトSEOの経験から考えているGoogleによるユーザー行動評価方法を共有したいと思います。

コンテンツだけで、ユーザー満足度を測ることはできる?

まず、Googleがユーザー行動をランキング要因としているという話は、全く不思議なことではないと思います。

なぜなら、Googleが本当にユーザー満足度を評価するには、テキストコンテンツ情報だけではなく、「ユーザーに聞く」のが一番なはずだからです。

計測しているのは、「検索行動が終了したかどうか」

細かな話は後にして、結論Googleが測っているのはユーザー単位の「検索行動が終了したかどうか」だと考えています。

ユーザー第一のコンテンツ作成に関するGoogleの公式ドキュメントにも以下のような説明があります。これらは全て「ユーザーの検索行動が終わるようなコンテンツを作ることの重要性」を示唆しているのだと私は考えています。

ユーザーがコンテンツを読み終わっても、他のソースからより良い情報を得るために再び検索する必要があると感じさせてしまいますか。

コンテンツを読み終わったユーザーは、あるトピックについて、目的を果たすのに十分な情報を得たと感じることができますか。

ユーザー行動計算の流れ(予想)

経験上、以下のような内容がユーザー行動が計算に含まれていると考えています。

①クリック率(数)
②サイトでの滞在時間
③検索結果ページに戻ったかどうか
④意図の近い検索クエリで再検索されているか

(これらが指標として使われているかどうかは別として、おおよそこのような部分が見られているという程度でご覧ください)

①クリック数(率)

クリックは「ユーザー行動の始まり」です。(厳密に言えば検索した瞬間が始まりという言葉が返ってきそう、、、)

まず、「ユーザー行動を測る」と言っても、ページへの訪問が発生しなければそもそもそれ以降のユーザー行動計測ができません。そのため、まず最低限クリック数が必要であると考えられます。

・クリック率が順位に影響した事例

「ユーザー行動の始まり」となるクリックの順位影響は経験上あらゆるユーザー行動指標の中で最も影響度の高い要素だと感じています。

実際の事例を知っていただくと、クリックの影響度はお分かりになるかと思います。(各グラフにCTRグラフがない理由は、サーチコンソール上のCTRでは正確なクリック変化は測れないためです)

・下落事例

あるサイトにてタイトルがH1タグ内テキストに書き換わる事象が発生し、クリックの大きな下落が発生しました。(タイトルが書き変わったこと自体も順位に影響しています)

※順位のグラフを追加するのを忘れてしまいましたが、これは順位が下降した結果Impressionsとクリックが大幅に減っているグラフとお考えください。

・上昇事例

大規模サイトにて、大量ページでのタイトル変更を行った例では、変更を行いクリックが13%ほど増加した後1週間以内に、平均順位も押し上げられる傾向が見て取れました。

これ以外でも、テレビCMを行った時の順位変化や非常に大きなニュースとなった際の変化を見ていると、クリック率が高まったタイミングで順位に変化が現れることもよく見られます。

②サイトでの滞在時間、③検索結果ページに戻ったかどうか

次に「滞在時間」と、「検索結果ページに戻ったか」どうかです。

検索結果において、例えば1位のページをクリックした5秒後に、2位のページをクリックして60秒後に検索を止める。というユーザー行動があった時、評価がより高まるのは2位のページになるというイメージです。

そのため、SEOのためにユーザー行動改善をするとき、例えばGAのセッション継続時間やエンゲージメントなどと言った滞在時間を表す指標を改善することで効果が出るケースもあります

ただ、経験上この数値を改善して効果が出るのは、元々が余程酷い数値である場合です。

「ほとんどFVより下にスクロールすらされていなかった。」「滞在時間が10秒にも満たなかった。」などの場合で、かつ一瞬で結論を伝えられるようなキーワードではない場合に比較的早めに効果が出る。というイメージです。

ユーザー行動が壊滅的なパターン以外では、ユーザー行動改善によって順位影響が見られるまでには長い時間がかかるのが自身の経験から言えることです。

④意図の近い検索クエリで再検索されているか

最後に、意図の近い検索クエリで検索しているかどうかが見られていると考えています。

基本的には、ページを見た後に再検索をさせてしまった場合よりもさせなかった場合の方がそのページの評価は上がるというイメージです。

これはシンプルに、前後検索キーワードに沿ってコンテンツを改善した結果として順位が上がる現象を何度も経験していることから推測しているものです。ユーザーの手を煩わせず、一度でユーザーの知りたい情報を満たすコンテンツであるかどうかが評価軸になっているのだと考えられます。

元Google社員が示唆しているようにユーザー行動シグナルはテキスト学習に置き換えられることもあるため、ユーザー行動シグナルを有用なテキストコンテンツの判定に置き換えている可能性もあります。(記事ではデータの置き換えに関する具体的な情報がないため、この推測は曖昧ではあります)

キーワード同士の距離について

上記では、「意図の近い検索クエリで検索しているかどうか」が見られていると説明しました。キーワード同士、検索意図観点での距離があり、距離の遠いキーワードの検索をユーザーが行っていたとしても減点対象にならないと考えられます。

例えば、最初の検索クエリが「なす レシピ」であった場合に下記のキーワードと検索意図の距離(0~5)はこのようなイメージです。

  • 検索開始時クエリ「なす レシピ」

  • 再検索ワード「なす レシピ 人気」(距離:0)

  • 再検索ワード「なす レシピ 美味しい」(距離:0)

  • 再検索ワード「なす レシピ さっぱり」(距離:1)

  • 再検索ワード「なす レシピ ヘルシー」(距離:1)

  • 再検索ワード「なす チーズ レシピ」(距離:2)

  • 再検索ワード「野菜炒め レシピ」(距離:3)

  • 再検索ワード「夏野菜 レシピ」(距離:3)

  • 再検索ワード「弁当 レシピ」(距離:4)

  • 再検索ワード「きゅうり レシピ」(距離:4)

  • 再検索ワード「デザート レシピ」(距離:5)

このケースでいえば、最低でも距離が3以内のキーワードに関する情報は、ページ内のテキストまたは内部リンク先のページ内に記載しておくべきです。

経験上これが満たせているコンテンツであるかどうかが、順位に影響します。(前述のように、Googleが直接このユーザー行動を計測しているのか、別のシグナルに置き換わっているのかは定かではありません。)

本当にユーザーのためになるコンテンツを作ろうとして、「ユーザーが欲しい情報は何か?」を追求すれば、このような前後検索キーワードを意識したアプローチは必要ないかもしれませんが、それが難しい時にはこの視点で考えるとコンテンツの骨格を作りやすいかと思います。

SEOのためのユーザー行動改善

ユーザー行動改善するならこの数値を見ろ!という指標は実はない。

前述の通り、今余程ユーザー行動が悪い場合には、大幅な改善による順位影響もあるかもしれません。

しかし、Googleの検索行動において最も重要な「ユーザーが検索行動を終えたかどうか?」を測るデータは、GAなどのサイト内分析ツールには存在しません。(Googleしか持っていません)

そのため結局のところは、「この数値を改善すれば順位に影響する!」という指標はありません。やはりページの内容や現状の問題点に合わせて、CVに使用する指標なども参考にして定量的な判定は行い、ユーザーが再検索しないコンテンツになっているかを定性的にも判断していくことが必要です。

最低限やっておきたいこと

その上で、まずは最低限見ておかなければいけないと思われることは以下だと考えています。

①エンゲージメント

GA4にはエンゲージメント率という指標があります。エンゲージメントは、「10 秒(デフォルト)を超えて継続したセッション、コンバージョン イベントが発生したセッション、または 2 回以上のページビューもしくはスクリーン ビューが発生したセッション」です。

これが著しく悪い場合には注意が必要です。ドメイン力に頼って順位を獲得したコンテンツでも、これが悪い場合にはしばらくすると徐々に順位は落ちてくる傾向にあります。

※計測状況によってエンゲージメントの定義は異なります。

②滞在時間

GA4では平均セッション継続時間という指標が割と使い勝手が良いかなと思います。

平均セッション継続時間は、すべてのエンゲージメント セッションの合計滞在時間(秒)をセッション数で割った値です。

エンゲージメントセッションのみの滞在時間を測るため、エンゲージメントが低い場合にはこの数値の信頼性は低くなります。そのため、まずエンゲージメントを適切に定義し、改善した上で平均セッション継続時間を改善しましょう。

③CVR

ユーザーが検索結果に戻って他のページをクリックしたか?や、ユーザーが検索結果に戻って再検索を行ったか?を正確に測る指標はありませんが、ユーザーがコンバージョンをしたかどうかは、それを測る一つのヒントにはなり得ます。

流入キーワードや、コンバージョンが何かによって意味は大きく変わってきますが、ユーザーが検索を終えて自社のサービスに集中してくれるようなコンバージョン(例えばハウツー系の資料ダウンロードなど)である場合には、この数値でユーザーの行動を推測するヒントになり得るパターンもあります。

実際に、ユーザー行動改善を行う場合は、特にこれ以外にも多くの観点や指標を用いるため、これを見ておけ!という数値はありません。また、ユーザー行動改善を行う際にはそこまで検索エンジンのことを意識しない方が良い(というより他観点の重要性が高い場合の方が多いので、気にしてもあまり意味がない)というのが自身の経験を通して感じていることではあります。

ユーザー行動がワークするのは、検索ボリュームが大きく、順位が高い場合?

詳しい人の間ではよく言われていることかもしれませんが、十分な検索量があるキーワードであればあるほど、そして順位が高ければ高いほど、ユーザー数が増え、Googleが使用できるユーザーフィードバックの量は自然と多くなるため、ユーザー行動シグナルの重要度が増すのではないかとは考えています。

が、結局フィードバック量が少ない場合には、Googleだけでなく我々もデータ不足でユーザー行動改善の判断が難しいため、これを確かめる手段はないでしょう。

ユーザー行動スパムを行っているSEO会社がある!?

海外では6~8年前は意図的に検索結果でのクリックを増やすなどのユーザー行動スパムを行っている会社があったようです。

現在の海外の情報はわかりませんが、日本でもこの種をスパムを行っている会社もあると聞きました。(私は1社だけ聞いたことがあります。外部のIT開発ベンダーに依頼してかなり細かなスパムを行っているとかいないとか。)

数ヶ月前に各社サイトでSEO関連キーワードのImpressionsが爆増したことがありましたが、これはそのスパムの影響ではないかと私は思っています。